2013年8月11日日曜日

みなもと(義経じゃないよ)

かなりおひさの更新でございます。僕は更新がおろそかになるので、1度の内容が長くなりますね。

侍さん率いる、事例本の執筆も終わり、休暇も少々頂き、論文にかかろうと思いきや、出張やら家族サービスやらでいまいちペースに乗り切れていません。。。

昨日、池袋でプリキュアなんとかというものに連れて行かれました。娘につれられた疲労のお父さんとともに近寄りがたいオーラを発信しているオタクさん達のオンパレードです。とんでもない人もそうなのですが、プリキュアショーというなんともいいがたい巨大人形が集まるショーで20キロオーバーの娘を肩車しながら、片手でビデオ撮影を20分。肩を受傷しました。。

そんなときに隣りからトントン「めがねさん(本名で呼ばれましたが)」と。
誰かと思ったら訪問リハの権威、PTのA先生。
「お互い大変ですね〜」といいつつ、二人とも肩車をしながら簡単に仕事の話等も(笑)
立ち肩車ばなしです(笑)。

そういえば私がお世話になっている桑山先生が担当されています、訪問リハ未来サミットが東京で開催されるそうです。興味のある方は是非ご参加を。



さて、ここからが本番です。
作業療法、特に作業を大切にしている人達が大事にしている文脈や個人因子。そして、作業の動機の根底となるスピリチュアリティなど。皆さんはどう考えているのでしょうか?学会や講演会、講習会、当院の事例発表等さまざまなところで事例の文脈を聞きますが、基本的に僕の心がスッキリすることはまずありません。僕自身もクライエントとスッキリするに全て至る訳でもありません。
自分で自分がこうしたいと自己主張や提案をしてくれるクライエントの場合はそんなに考えなくとも、恊働が可能になるかもしれませんが、おおよその作業療法士が悩んでいる、面接がうまく行かない、この作業で本当にいいのか?と思う場合は、大体の場合この文脈のリーズニングができていないんだと思います。

侍OTさんの大好きな作業科学の共通の理解地平の地、
Tomoriさんの推奨するShare decision Making(SDM)、

これらは全てクライエントとの恊働も指しています。
僕は恊働とは二人三脚やマラソンの伴走だと思っています。お互いに走ること。
一緒に目標に向かって走ることです。

クライエント「おい、俺客だぞ、おんぶして目標地点まで連れて行け」
OT「はい。わかりました」

って言う構図のことが結構あります。
マラソンの伴走者が代わりに走るのは失格です。

当院で僕がフィードバックするときにはここを徹底的に突っ込むので、恐らくウチのスタッフは参ってしまうかもしれません。しかし、いいと思うときには、全国、全世界にわたっても、素晴らしいと言える事例の文脈だと思っていますので、ウチのスタッフには自信を持ってもらいたいですね〜。ってお前がなんとかしろっということですが。

そこで当院で良く聞く文脈の捉え方の不十分な例を家のプリキュアのジグソーパズルを見ていて、思いました。リーズニングの一助となればと思います。
作業の面接では作業の問題について話し合います。その作業遂行障害に陥っている作業をやりたいと思う、動機やみなもと、価値が形成された過去のエピソードは何なのか?を探ります。

1、関係のない情報が沢山ある。プリキュアのパズルにこびとづかんのパズルが。。


こういう事例の場合は、
例えば
 「家族のために夕ご飯が作りたい!」というクライエントの文脈のところに、昔は友達との山をかけずり回った。とか、映画を見るのが趣味だった。とかそういことを書いていたりします。これらの情報が全く無意味とは言いませんが、クライエントの料理の作業の文脈のピースではない、上記の例で言えば「こびとづかん」のピースです。
 プリキュアのピースとなるのは、「幼少期、両親が共働きで、一緒に夕ご飯を食べることが少なく、寂しい思いをしたので、自分が大人になったときには皆で手を合わせていただきますができるような温かい家庭を作りたいと思っていた」といったとこでしょうか。

2、肝心なピースが足りない


 顔が〜ない(笑)。聞いていて、その先は?と思うことが良くあります。
 例えば、上記の料理の例だと、「家族のために作ってあげたいから、いつも作っていたから」で終わってしまっている。でも、気づきませんか?こういうことを言うクライエントは沢山いること。その文脈では個がなくなります。そのひとをその人足らしめるみなもとの文脈が足りません。その人が見えてくる文脈でないといけません。だって僕らのやる作業療法は「Only one」でオーダーメイドなのですから。

共通の理解地平および本当の意味でShareするにはその人がどんな人なのか、何に価値をおいているのか、心の底から理解しようとしなくてはいけません。ただ闇雲に過去の話を聴くだけでは不十分なのです。もちろん分からないことも多いかもしれませんが、知る努力が必要だと思います。

当院では、有志に対して、めがね作成のリーズニングシートを試験的に用いて練習しています。(ADOCのマトリクス画面も勿論有用ですよ 笑)作業を心から愛している人達にこういうリーズニングシートの話をした際に「可能性が狭まる」といったことで否定されたこともありましたが、あまり気にしていません。
なぜなら、作業の文脈をしっかり捉えるようになるということを共有しているのは自分の病院の職員ですので、彼らができるようになるためにあらゆる手段を使いたいと思うからです。自分ができるから他の人もこうやれっていうのはある意味パターナリズムで、自分がやって来たことを如何に楽に達成できるかに主眼をおきたい。

全く水に顔もつけられない「海女」志望の女性に、
①はじめから漁場に行って潜る練習から始めるのか?
②まずは家の洗面器から始めるのか?

僕は②派であることが多いです。だって作業療法には素晴らしい考え方Gradingという技術があるから。

長文失礼しました。





0 件のコメント:

コメントを投稿