2013年12月28日土曜日

遅ればせサンタ

私達は多くの場合、「やまい」に悩まされた人々に関わり、支援をする。
起こりうるライフイベントに対し、
そこだけ切り抜いたとしても「人」を理解できない。
その背景には人生があり、取り巻く色々な事情がある。





今日は12月28日世間は帰省ラッシュや年末のニュースに騒がしい。
少し遅れたクリスマスパーティー中の男の子は楽しくてしょうがない。
一枚の写真からは表面的なものしか捉えられない。
クライエントのその時のライフイベントを捉えても本質は見えない。






突然医師から「危ない状態です」と言われることは親の精神状態を揺さぶり、
入院生活は取り巻く人々のそれまでの作業の習慣を一変させる。
彼らにも多くの文脈が存在する。
医療職でも動揺する。一般の人々は更に動揺するだろう。




両親は不安と病院への往復により家事、仕事など様々な作業遂行障害を生じ、
ひいおばあちゃんは日課の孫と遊ぶ作業ができなくなり、食事も喉を通らない。
お姉ちゃんも両親やじいちゃん、そして弟と遊ぶという作業ができなくなる。

「〇〇くんに会えなくて寂しいよ。」
と大粒の涙を声を上げずに流した娘にぐっと来るものを感じた。

感染対策の病院のルールは重要だが、一方で姉弟の大切な作業を剥奪する。



様々な状況に障害され、面会できる時間は両親のどちらか1時間半のみ。

ずーっとお母さんの背中を追い続け、少しでも離れると泣いてしまう。
好奇心旺盛で、そこら中走り回り、家の前を走るバスが大好き。
食いしん坊で、大人位ぺろっと食べてしまう。

大好きなお母さんにもなかなか会えず
大好きなお散歩もできない
大好きなお姉ちゃんとも会えない
大好きなじいちゃんの上にのって遊べない
お腹がすいてもひいおばあちゃんの部屋でつまみ食いもできない
閉ざされたベッドの上で家を思い出すとつい泣いてしまう




クリスマスにサンタは来なかった。
お姉ちゃんは
「サンタさんはいつくるかな?〇〇くんが帰って来たら来るんだろうね」
ずいぶん気の利いたサンタクロースは今日やって来た。





クライエントの背景には多くの人々が絡んでいる。
1つのライフイベントの背景には1人のみが絡むのではなく
芋づる式に作業遂行障害の連鎖を引き起こす。
理解はしていたが、再確認した出来事でした。


これからも常にクライエントの背景を共に共有し、
一番近くの伴走者を目指したい。


多くの人々に支えられて、幸せな作業を再獲得しました。
心配して頂いた皆様ありがとうございました。

Merry X'mas

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