2013年7月6日土曜日

作業乃風 質問集

遅くなってすみません〜〜〜。

作業乃風で講演させて頂き、その感想および質問を頂いていました!
ブログ上で返答するといい、早2ヶ月近く経ってしまいました。本当にすみません。

感想では本当に多くの方が面白いと思って頂けたようで、嬉しいです。
ありがとうございます。

以下に頂いた質問について答えさせて頂きたいと思います。

Q 昔、ボバースや活分を学ばれていたと思うのですが、ハンドリング等はどのように役立てていらっしゃいますか?

A あまり体に触らなくなったので、ハンドリングを直にやるという事は少ないですが、姿勢や動作分析に大変役立っています。当時の活分は作業の手段的利用の側面が大き   かった気がします。作業遂行分析に当時の考えは役に立っています。

Q 個別 と 特定 の作業療法の違いについて

A 文脈がちょっとわかりかねるので、どのような意味合いで自分も使っていたのかがわからないのですが、恐らく、個別は目的的にその人がやりたいと思う作業の話をしていて、特定は手段的に何かを利用するときに使っていたのかな?すみません。

Q 面接が長くなってしまったり、作業を聞き出せなかったりします。コツは何かありますか?(その他多数)
Q どのような面接(言葉かけや評価シートなど)を行うと、よりクライアントの心を引き出すことができるとお考えですか?

A 面接については、当院のOTからも良く聞かれます。侍OTさんやOSの岡千晴さんとかもお話しされていましたが、作業療法の説明を始めに入れる事は重要かなと思います。私が気をつけている事は相手を良く知る事、クライエントのマブダチになるつもりで色んな事を聞きます。そのときに挙げられた作業に焦点を当てて聞きます。その作業を選択するに至った作業歴についても聞き、ジグソーパズルを埋め合わせるかのごとく面接を愉しみます。評価シートのリーズニング用シートを現在当院で色々模索しているところです。その作業を挙げた背景を紡ぐ糸の整理の仕方については何かの機会にまとめられたらいいなあと考えています。

Q Megane(私)の病院ではトップtoボトムで介入して、機能・能力向上に伴う作業の実動作を行っていく流れですか?もしその解釈で正しいなら、どのタイミングで作業の実動作を提案していますか?

A 状況によります。実動作のみで行く場合もありますし、そのために機能訓練後に実動作を入れる場合もあります。まずは観察して、問題がどこにあるかを特定し、そして、その戦略をクライエントと一緒に考えます。Top to bottomの場合は、ある程度機能が獲得されて来てから、実動作に移行します。

Q クライアントの意見中心にすることは大切だと思うが、それではADLがよくならない、ADLが見れていないと思われてしまいそう。クライアントのニード、OTとしての目標の割合が難しいのですが・・・?

A 私はADLも重要だと思います。クライエントと彼らを取り巻く人、OTの専門的な見地を恊働して、クライエントの目標を決めることが重要と思います。もちろんADLを挙げる方もいらっしゃるでしょうし、中にはADL以外を訴える方もいらっしゃると思います。何を目標にするかはクライエントが教えてくれます。多くはADLからのアプローチとなるでしょうが、中にはADLじゃない人もいらっしゃるとは思います。


Q 面接の中で、説明についてどのような内容を伝えていますか?

A 具体的な生活の中での作業の説明をします。個人的な印象ですが、OSを勉強されている方は説明がうまい上にこだわりの説明をされている気がします。



Q 講師に来ていただくのには、どんな条件が必要でしょうか?

A 来て下さいという連絡と予定が空いていることです(笑)。



Q 統合失調症の方へのOBPの事例で面白いものがあれば知りたいのですが?

A 私は存じ上げないのですが、恐らく、今書いている事例本に出てくるケースがあるのではと思います。


Q 介入に失敗したときの立ち直り方、失敗を成功に変える方法を知りたいです。

A 失敗から学ぶ事だと思います。何がダメだったのかをリーズニングすることだと思います。そして周りに慰めてもらって酒に溺れる事です(冗談です)


Q 認知面がクリアではない方へ、面接で工夫されていることがあれば教えていただきたいのですが?
Q 失語や認知面の低下などで、言語を通して面接という形がとれない場合は、どのように対応したら良いでしょうか?

A 似たような質問なので同時に。失語や認知症にADOCが有効という発表もあります。今回の発表で友利さんがADOCのカットオフをMMSE8点と推定されていました。統計上の話なので、それ以下でも有用かもしれませんし、それ以上でも有用でないかもしれません。一回使ってみる価値はあるかもしれません。認知的にクリアでない方々には誰をクライエントとするのか?という観点で、家族に対して面接を行うかもしれません。クライエント本人には作業参加という観点からMOHO的なアプローチが最適なのではと個人的に思います。


Q 訪問系で、どういったプロセスでOTを行っているか知りたいです。

A 基本的に流れは入院と変わりませんが、観察は必須で、実動作による練習メインです。


Q 澤田先生のおっしゃる“結果”というのは、もちろん生活していく上での結果のことでしょうか?


A おっしゃる通りです。関節角度が10度改善しても生活に繋がらなければ作業療法的結果とは言えないと思います。


Q 理想は大きいけどなかなか現実に実践するのに悩みます…。

A 大きい理想は持ち続けて下さい。小さな1歩でもいいので前に踏み出せば拓けると思います。

Q 作業療法の理論を概観から勉強するのによい文献があれば知りたいです。

A 以外に簡単にまとめているものが無いんだなあと私も思っています。作業療法の6つの理論は理論の本ですが、少々長いです。今書いている事例本には短くまとめているのですが、とっかかりにはいいかもしれません。しかし、真に理解されるには成書を参考にされたら良いと思います。

Q 澤田先生の治療は、トップダウンアプローチを中心にされていると思いますが、その方のいちばんしたいことから始めていくのですか?したいことの順番は、COPMのような感じで決めていくのでしょうか?

A おっしゃるとおりです。一緒に決めていきます。





Q 回復期の限られた時間の中で、目的となる手段に結び付けるのは、患者様の障害受容の面からも難しいなと感じることがあります。精神的なケアなどどのようにとらえていけばよいのでしょうか?

A 受容をする、しない、はクライエント本人の問題だと私は思っています。作業療法士はその人の状況に寄り添い、様々なものを共有します。しかし、クライエントも共有しなくてはなりません。それは責任であり、クライエントは決定しなくてはなりません。限られた時間の中でどのように作業療法の時間を使うのか、クライエントがそれを決定するために作業療法士がお手伝いする事はそう難しい事ではないと思います。


Q ADOCを使用して、クライアントと関わったことがあります。ADOCで選択した作業の練習を行ったことでそれを達成できましたが、クライアントからは、上肢機能が良くならないとの訴えが続きました。作業療法士として、希望した作業の中で、どう上肢を使うかということを、目標共有すべきだったのでしょうか?







A  クライエントが達成できたのは非常に嬉しい事ですね。上肢機能を良くして下さいという受け身的なのでは無いでしょうか?上肢機能を良くしたいというのは常にあるのでしょうね。そこも共有する必要があると思います。上肢機能の予後等に関する作業療法士の知識も共有すべきと思います。クライエントが上肢機能をどのような大切な作業に利用したいのか、また主体的に上肢機能を良くするためにはどうすれば良いのかを一緒に考えてみるのも一つの手かもしれません。

以上です。色々なご意見ありがとうございました。







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