2018年7月27日金曜日

臨床家は研究をしなくてはならないのか?

おはようございます。
私はつい先日、日本臨床作業療法学会の会長に再任されました。

その後、ある会員さんからこんな質問をされました。
これは重要な問題ですので日記で共有したいと思います。

その質問は、
「最近の日本臨床作業療法学会は研究を推進しているように見えるが、臨床家が研究をしなくてはならないのか?」

ということです。

会長として個人的な見解を述べると、

「やりたければやればいい、やりたくなければやる必要はない」

です。

一番大事なのは臨床でクライエントに成果を出して、その生活の幸せに貢献することです。別に研究をしていなくても素晴らしい臨床を展開していらっしゃる方々はたくさんいらっしゃると思います。ですので、臨床家は研究をする必然性はないと思います。

しかし一方で、様々な研究から学ぶべきことは沢山あります。研究をしなくとも、最新の知見は知っておきたいですね。作業療法の道は日進月歩です。最新の研究内容を常にアップデートすることは必ずクライエントの成果につながります。逆に研究をチェックしていないと、いつの間にか時代遅れの作業療法になっているでしょう。それはクライエントにとって不幸ではありませんか?

ただし、大学教員はやらなあかんですよ。専門職大学教員もでしょうね。作業療法学の進歩のために質の高い研究は必須です。それは、臨床につながらなあかんと思います。

私は臨床時から研究をしていましたが、自分の臨床疑問を解決したり、臨床につなげる知識のレベルアップを追い込むためにやっていました。時間がないを言い訳にしないためには研究という一つの手法は私にとって比較的早くレベルアップできる手段だったからです。でもそれは人によって違いますので、研究をしなくとも達成は可能だと思います。

一方で、臨床家あるあるですが、論文を読んだとしても統計処理や研究デザインがわからないために研究の本質がわからなくて断念することがあります。したがって、研究法を学ぶことは臨床家にとってもよいことだと私は思います。

日本臨床作業療法学会ではたしかに、研究したいという臨床家や研究法を学びたい臨床家のために研究法のセミナーもやっています。一方で臨床家のための出前講座などゴリゴリ臨床系もやっています。つまり、ハイエンドな研究からどろどろの泥臭い実践までクライエントへの実践に役立つことは多方面で支援していきたいと思っています。

ぜひこういった意見を寄せていただければと考えています。
最後まで読んでくださりありがとうございました。

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