2013年12月5日木曜日

OSとは。。。

先日OSセミナーに行ってきました。会員歴は長いのですが、実は日本のセミナーは初めてです。友人の侍OTさんが待ちに待った会でした。素晴らしい会でした。木田さん(素晴らしい講演内容でした)ともお近づきになれましたし、共有できたことに感謝です。会の内容自体は私とほぼ同じ思いをtomoriさんがブログに書いていますので、それをご参照下さい。ちなみに丸刈りなだけで侍さんと間違えられましたが、私は正反対の人間ですのでご注意を。私はあんなに人徳者じゃありません。


撮影 琉球OTさん 勝手に載せちゃいましたごめんなさい

このセミナーには私の病院からも15名位参加したようです(ようですって。。。いつも会場で会って参加を知るのがほとんどです 苦笑)。当院にはOSを学習するプロジェクトチームもありますが、一連の内容を聞く中で、僕は「ウチのスタッフのどれくらい、この内容をOSとして理解できているんだろう。。。」と不安になりました。

私はOS、つまり作業科学について詳しく理解している訳ではないのですが、今回は当院のスタッフに向けてOSについて書きたいと思います。

私の中では、最近、我が国では「作業科学」と「作業療法」との混在が顕著だと感じています。この2者は異なるものだというのが私の考えです。今回、Helen先生や齋藤さわ子先生の御講演の中でも区別されていました。


OS(Occupational Science)つまり作業科学のはじまりは何なのか?

このことについて私は、専門職として高度な専門学術レベルを確立するために大学院を設立しようとする動きにはじまったと認識しています。南カリフォルニア大学で初めて大学院を設置しようとした際に、大学院で教育するには「作業療法」は学問として成立していないといけない。作業療法は応用科学であるが、その基礎となる学問が存在しないと言われ、大学院設立が頓挫してしまった。従って、作業療法の核となる作業の基礎科学となる学問、「作業科学」が生まれ、念願の大学院が開設され、作業療法に関する上級学位が取得可能になったという経緯と記憶しています。(現在では応用科学でもあると言われていますが、私はこのことが作業療法との区別を困難にしている一因だと思っています)。アメリカの作業療法士の地位の高さにはこのことも影響していると思います。日本では「博士号」を持っていても、教員以外本当に何の役にも立ちませんが、海外では「博士号」があるかないかで、相手の対応がかなり変わるというのも事実です。

すいません。これまでの話では、作業科学が何なのかについては何も説明していません。これからが本題です。私の思う作業科学とは簡単に言えば「作業の性質を知る学問」だと思っています。語弊が無いように言ってしまえば、そこには、Bottom upとかTop downとか、Client-centeredとか、どうでもいいんです。


一番大事なのはOccupation。Occupation-centeredなんです。


人がどうだというより、作業がどうなのか?そこに興味を持つことが根本にあるのだと思います。勿論人と切り離すことはできませんが、作業優位なのだと思います。

一連の作業療法を展開して、良い結果が生まれたということは臨床的には非常に素晴らしい。しかし、それは作業療法の話であって、その臨床の話の中における「作業」がどういう位置づけなのか?それを科学する。それがOSなのではないでしょうか?

その為に、作業科学研究では作業を「意味」「機能」「形態」から捉えたり、世の中の作業的公正について考えたり、人の作業の歴史の意味合いを考えたりしているのではないでしょうか?(Helen先生は量的研究が少ないことをおっしゃっていらっしゃいましたが。。。)

Dr.William Rush Duntonが「人は水と同じように作業を希求する」と言いましたが、それに普遍性があるかを検証することなど、そういうものが「作業科学」なのではないでしょうか?



作業療法とは、作業科学で得られたそのような知見を利用して、臨床に応用するものなのだと思います。だから応用科学なんだと思います。従って、私は作業科学は解剖学や心理学や生理学や社会学等と同列だと捉えた方がすっきりすると思っています。そして、私達は作業療法士なので、他の基礎的な科学も重要だけども、何よりもprimaryとして作業のことを知る必要があるから作業科学が必要なのだと思います。筋肉や人の心の力動や社会の仕組みの知識があるだけでは臨床ではどうしようもありません。クライエントに作業療法を行う際には、その知識を応用する。つまり作業の特性を知り、クライエントの理解と介入に生かす。作業科学とはそうあるべきではないでしょうか?

以上、作業科学のことをあまり知らない私が自分の考えを述べました。が、詳しくはOS研究会で学んで下さい。

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