さて先日、当グループのOT責任者たちと飲んでいて、当グループのことではないですが、SNS上のトラブルを耳にしました。SNSは怖いですね。特に本人を特定できる情報の露出はクライエント、作業療法士両方に置いて触法行為になることを常に念頭に置いておく必要があると思います。
よくあるネタについて私論を記載しましょう。
○不特定多数の人がいる場でクライエントの固有名詞を出す。
バスや電車で通勤すると、医療職らしき人がクライエントの固有名詞を出すことをよく耳にします。「○○さんがさ〜、○○の値が悪くって。。。。。」。私は素知らぬ顔で乗っていますが、話している本人たちはわからない。しかし、専門用語多数のその情報で私はそのクライエントがどのような状態なのかが理解できます。そして、そのバスの沿線上の医療機関は限られているのでおおよそしぼられるということになる。どこに医療職者がいるかわからない。公の場でクライエントの固有名詞を出すことは職業人として今一度考えた方が良いのでは?それは職業倫理だと思います。私はよくスタッフに指摘します。
○自宅で病院などの業務を行う
ほとんどの施設は施設外への個人情報の持ち出しを禁止しています。自宅で業務を行うことは多く施設の場合、労務規定違反にもつながりますし、紛失などによる個人情報の漏洩の危険も考えられます。業務はすべき場所ですべきでしょう。
○SNSでクライエントとの思い出を語る。
SNSでクライエントとの思い出を語る。共有して様々な人たちに良い影響を及ぼすことになるでしょう。しかし、その情報共有についてクライエントはどれくらい理解しているか?ということがあります。
Maitraは作業療法士が目標を説明したとしても、クライエントはそうは思っていないことを明らかにしています。(※この論文についてはTomoriさんの教え子のOhno君が院生時代に解説しています。こちら)目標共有ももちろんそうですが、それ以外でもクライエントと作業療法士は同じ道を歩んでいるつもりで離れてしまうことが多々有ります。様々なインフォームドコンセントもしかりです。臨床で皆さんも経験したことがあるのではないでしょうか?
私はいろいろな方法で同意をいただいています。クライエントとのかなりの関係性が取れた上での同意のもとでの掲載は良いでしょうし、その関係性が眼に浮かぶケースも多々有ります。一方、私は自分が関係性が良好だと思っていてもサービス提供者として、SNSの掲載は踏み出せない根性なしですw(特にtwitterやブログは怖いですね)。SNSは削除しても記録はどこかで生き続ける。完全に削除はできない。だから私はクライエントに許可を得ていたとしてもSNSやWeb上ではクライエントとの思い出を共有できない。それだけWebは制御できない怖い存在だと思っています。
心の片隅で自分が思うのは、他人の気持ちを知っているつもりは一種のエゴかもしれない。それでも推し測り続けるのが日本の作業療法なのでしょうが。
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