2017年12月5日火曜日

ノーマライゼーション

半年ぶりです。色々立て込んでいたということが実証できるなと自分で勝手に思っています(笑)

作業療法ではクライエントを病人としてではなく、一人の「ひと」として捉え、クライエントの作業、その背景にある様々なものを共有します。

本日はブログで初めて私のクライエントの話を紹介します(本人承諾のもとです)。私の講演でよく登場し、娘さんの髪の毛を結ぶ、ゴルフをするといった作業の動画でご覧になった方もいらっしゃると思います。

彼女は快活な女性で
・ファッション関係など勤めた経験もあり、おしゃれ好き。
・彼女のmeaningful occupationは「嵐(ジャニーズ 笑)」(もちろん家族も)
 回復期入院中も車椅子で東京-名古屋までコンサートに出かけたつわものですw
・ものすごく器用で片手で魚をさばいたり蝶結びをする

彼女の文脈は一筋縄では行きません。
難病に罹患して落ち込んでも、出産して間も無く発症(脳出血)し、重度上肢運動麻痺を患い、その後様々なマイナスイベントが起きようともいつも前向きに生きようとされています。退院してからも外来受診の際に他のOTから依頼され、様々なクライエントの悩みについて相談に乗り、勇気付けられた人は数え切れません。

彼女はちょっと前に障害者雇用で職に就いたのですが、よりやりがいのある仕事を目指して起業を試みました。通常退職したらなかなか、就職できないのでOTとして止める方もいらっしゃるでしょうが、私は応援しました(笑)そう言う文脈の方でしたので。

彼女は活動的ですので女性の起業家を目指す人のためのコンテスト(私も作業療法で少し手伝いましたが)でファイナリストに残り、入賞しました!そして、彼女の作業はようやく実現して来ています。新しく立ち上げたものは

Mana'olana’ 

というネーミングの屋号で障害者を応援することです。ハワイ好きなのでそこの言葉を取って来たそうです。意味は本人のページを見てください。

コンセプトは
「障害者だって綺麗になる権利はある」

というところから始まっています。
(ちなみにOTの介入中に事業の話を相談しており、私が「美」で攻めるべきだ!っていったらお前の顔で言うな的に言われました 笑)

私も常に思っていたのですが障害者用のファッション系のものはもう、絶句するぐらいのダサさです。そう思いませんか?綺麗に着飾るにもそれを社会が許さないわけです。だってものがないから。

ノーマライゼーションの考え方は健常者と障害者の垣根を取り払うことです。それは言葉の問題とかでなく、実際の生活でです。数年前にH&Mの服を買うと、いつも上肢切断の店員さんが手際よく、レジを打っていて感銘を受けました。いついっても、普通の人より手際がいいわけですよ。店内No1レベルですよ。そもそも、障害者だから◯◯ってなんやねんってことになるわけです。

クライエントと作業療法士は病人とセラピストという見方もあるでしょうが、その前に人と人とのつながりです。まずは人として捉え、病気も一つの歴史として捉えることが作業療法士の心構えとして重要だと私は思っています。

その思いを学生に教えてもらうために、授業に来てもらう予定です。もちろん授業内容の打ち合わせとスライド作成も色々しましたよ。日本一の大学教育をせにゃならんですから(笑)




彼女の挑戦はまずは
「ゲートソリューション装着者でも履けるおしゃれな靴の販売」です。
まだ販売は決まっていませんが、近く決まるようです。彼女の活躍でおしゃれができる人が増えるといいなーって思います。是非セラピストやそのクライエントの方には知っていただきたいです。

Facebookページ こちら
ブログ     こちら

興味のある方は是非見てください。
長文最後まで読んでくださりありがとうございました。



0 件のコメント:

コメントを投稿